静まりかえったホール
ピアニストが全身全霊を掛けて
大切な1音に指を降ろそうとしたその瞬間
カシャッ!
張り詰めていた会場の空気が一気に緩む。
まるで空気が抜けていくように。
天から降り注ぐ光の柱
それに向かって祈るように手を差し伸べて
天を仰ぐ役者。
その想いがまさにピークになろうとした瞬間
カシャッ!
異次元だった空間が、
一気にただの芝居小屋の舞台に戻る。
そんな場面に何度も遭遇したことがあります。
アマチュアのステージでは度々ありますが、
プロの現場でもあるんです。
これって、
[ミラーレス一眼]の[電子シャッター]で
無音撮影どうのこうの以前の話ですね。
アマチュアのステージでは、
ある意味仕方ないか・・・と流せます。
出演者の親族・知人が頼まれて
撮っているんですからね。
現場の[お作法]も[シキタリ]も何も
知らない訳ですから無理もないんです。
[シャッター音]を響かせる以前に
[フラッシュ]光らせたりしますから(笑)
あまりにひどい場合は、主催者に代わって
注意することもありますけどね。
でも、許可を得たカメラマンしか撮影できない
ような現場でこれやられると非常に頭にきますね。
それなりのステージでもたまにあるんですよ。
メジャーな出演者がいるような現場でも。
たいていは[報道系]のカメラマンですね。
最近はだいぶマシになってきましたが、
テレビ局や新聞社が横暴なことが多かったです。
“撮りに来てやってる”感
“取材してやってる”感
丸出しで、無礼というか舐めているというか・・・。
出演側も心得ているベテランの現場では、
その辺りの[トラブルの種]を心得ているので、
裏方含めスタッフ一同に事前に連絡があります。
「申し訳ないけど、
今日はTV取材入るから、
何かあればすぐに教えてください」
という感じですね。
これが出演者側も
(出演者というより事務所やマネージャーなど取り巻き)
TV取材に慣れていなかったり、
まして取材されることに舞い上がっていたりすると、
色々起きるんですよ、本番中とかにね。
話しが[ミラーレス一眼]の[電子シャッター]から
だいぶ飛躍してしまいました・・・。ゴメンナサイ!
そして冒頭のようなシーンですが、そんな瞬間こそ、
演者が最高の表情をしているんです。
でも今までは条件反射的にシャッターを
切りそうになるのをこらえていました。
でもその後も[その瞬間の表情]が脳裏に残ります。
“最高の瞬間だったなー”と・・・
そのストレスから解放してくれたんです。
[ミラーレス一眼]の[電子シャッター]がね。
この“解放感”は、少なくともステージを撮る
私にとってはとても大きなものです。
我慢しなくてよくなりましたからね。
こちらが我慢している瞬間に、
「カシャッ」とシャッター切った音がすると、
本当に腹が立つんです。
まあそれがフリーのカメラマンだった場合には、
何度かそれがあると、いつの間にか
現場では見掛けなくなりますね。
そんな神経では呼ばれなくなりますから。
写真の[技術]や[腕]以前の、
デリカシーの問題ですからね。
これは鉄道の運行を妨げる[撮り鉄]も、
立ち入り禁止の花壇にズカズカ入っていく
自称カメラマンも同じですね。
私はかねがね、
ライブやコンサートや舞台の会場には
カメラマンなんて居ないのが一番良い・・・と
言ってきました。
演者・演出の妨げになってはならないのは勿論ですが、
入場料を払って来場している観客の邪魔になるのも
[ありえない]ことだと思っています。
そんな私にとっては、
[ミラーレス一眼]の[電子シャッター]での
無音撮影はとても強い味方です。
ストレス解消ツールのひとつです(笑)
これも何度か話しましたが、
[音]が消せた今、欲しいものはヒトツ!
透明マント
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芦澤来斗