憧れの「深町純」さんとの出会いと別れ


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希有の作曲家であり、キーボーディストであった「深町純」さん。

 

 

雑誌などで名前は知ってはいましたが、
初めてその音楽に触れたのは、
1975年に東芝EMIから「PRO-USE SERIES」として発表された、
『Introducing Jun Fukamachi』でした。

 

 

高校生の時にそのLPを購入して、
初めて針を落とした時のことを今でも覚えています。

 

 

当時は、
「チック・コリア」や「ハービー・ハンコック」などが現われ、
それまでのJAZZとは違う、ロックと融合した
「クロスオーヴァー」という新ジャンルが台頭してきた時代でした。

 

この流れは、その後「フュージョン」というジャンルに発展します。

私もお小遣いを貯めては、その手のレコードを買って
聴きまくっていました。

 

 

そんな中、外国人ミュージシャンの演奏が当たり前だった時に、
日本人ミュージシャンによる『Introducing Jun Fukamachi』は
本当に驚きでした。

 

 

「日本人にもこんな凄い演奏をするミュージシャンがいるんだ!」

 

 

その驚きと感激は、今でも忘れません。

 

 

深町 純
大村憲司
村上"ポンタ"秀一
小原 礼
浜口茂外也

 

このメンバーが、
海外の憧れのスーパーミュージシャン達と
対等に渡り合える日本人がいることを
初めて証明してくれたのです。

 

 

その後、「Jun Fukamachi & The New York All Stars Live」で、
実際にアメリカのスーパーミュージシャンとの共演を成功させ、
Steve Gadd、David Sanborn、Anthony Jacksonなどが
日本でも広く知られるキッカケとなりました。

 

 

 

そんな、雑誌やLPでしか触れることのなかった深町さんと、
まさか実際に知り合い、一緒に飲む仲になれるとは
夢にも思いませんでした。

 

 

私が専属で撮影している、
元G-CLEFのヴァイオリニスト「渡辺剛」さんを通じて、
コンサート現場で最初にお会いした時は感激でした。

 

 

その後たびたびライブやコンサートで
撮影させていただく機会に恵まれ、
個人的にも音楽のこと、芸術のこと、写真のことなど
色々お話しさせていただいたり教えていただきました。

 

 

ある時は、自宅にあった深町さんのLPやCDを全て持参し、
まとめてサインをいただいたくらいです。

 

 

深町さんというとキーボーディストの印象が強く、
私もシンセサイザーの先駆者というイメージを持っていましたが、
彼のアコーステイックピアノの生音は衝撃でした。

 

 

よく「鈴を転がすような・・・」と称されるピアノですが、
こんなにその表現がマッチする生音をジャンルを問わず
実際に耳にしたことがありませんでした。

 

 

しかもそれが特定のピアノでだけでなく、
どのホール、どのライブハウスのピアノでも、
「深町 純」の音がするのです。

 

 

終演後には調律が狂うくらいタッチが強いにも関わらず、
聴いていて全く耳障りな音がしません。

 

 

この生音を一度でも体験すると、
誰もがその虜になりました。

 

 

 

 

そして10年ほどお付き合いが続いたある日、
「深町さん急死!」の連絡を受けたのです。

 

 

 

ご自宅のピアノの前で突然死されたのです。

 

 

 

信じられませんでした。

 

 

一月前に素晴らしい演奏を撮影させていただいたばかりでした。

 

 

 

その晩は、行きつけのBarで彼のCDを聴きながら、
本当に泣きました。友人のピアニストと・・・。

 

 

 

教会でのお別れの会で穏やかな顔を見ても、
眠っているようで現実とは受け止められませんでした。

 

 

その顔に正面からカメラを向けることができませんでした。

 

 

 

 

半年過ぎたころにやっと、撮りためた写真をセレクトし、
アルバムにまとめ、お母様と奥様にお届けできました。

 

 

 

 

今では録音された音でした触れることができません。

 

 

それでも、その生音の片鱗は感じることができます。

 

 

 

有言・無言のうちに、
芸術とは何か、
それにいかに立ち向かうか、
色々教わりました。

 

 

 

とてもその遺志に応えられてはいませんが、
あの「音」と「言葉」は今も私の中に響いています。

 

 

 

 

あらためて、

 

 

「深町純」さん・・・・・・・ありがとう、そして永遠に!

 

 

 

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芦澤来斗


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カテゴリ:アーティストとの出会い 

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